好きだからキスして何が悪い?
「琉依くんがいい人だからだよ。こんな私と仲良くしてくれて、いつもありがとう」


ペコリと軽く頭を下げてニコッと笑った。

一瞬真顔になった琉依くんは、なぜか顔を逸らして口元に手の甲をあてている。


「……あーヤバいな。奏に渡したくない」

「? 今何て……」


ボソッと呟かれた言葉がよく聞き取れず首をかしげると、再び私に顔を向けた彼は、柔らかな笑みを見せる。


「奏は幸せ者だなーって言ったの。菜乃ちゃんに想われて」

「っ、え!?」


ごっくんとアイスを飲み込んで、私は目を見開いた。

突然如月くんの名前が出たことに驚いたんだけど、それより!


「もももしかして、私が如月くんのこと、その……」

「前から気付いてたよ、好きだって」


内緒にしていたつもりのことをあっさりと口にされて、ひゃー!とのけ反る。

気付いてたの!? うそ~~恥ずかしすぎる!!


「いいいつから……っ!?」

「んーたぶん最初に菜乃ちゃんに会った時?」

「えぇぇ何で~~!?」

「僕、こういうカンは鋭いんで」


真っ赤だろう顔で動揺しまくる私に笑いながら、琉依くんはのほほんとアイスを口に運んでいた。

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