好きだからキスして何が悪い?
そして、ひとつの線が繋がった。

昨日、会計しながら彼がボソッと呟いたあの言葉、きっと“腐女子”って言ってたんだー!


ガーン、と頭の中で重い音が鳴る。

私……地味な女どころか、腐女子だと思われていたなんて!

慌てて手と首をぶんぶんと振って否定する。


「違います! 私は決してボーイズラブには興味ないし、オタクでもないんで!」

「でも二次元のイケメンが好きなんだろ?」


バカにしたような薄い笑みを浮かべて言うソウくん。

何でそんな、私のことを知っているように自信ありげに言うんだろう。


「まぁ、それは否定出来ないですけど……」

「はっきり言えよ、好きだって」


その一言が妙に色っぽく聞こえて、ドキン!と心臓が跳ねた。

今の部分だけ切り取ったら、完璧な萌えセリフなんですが……!


ひとりドキドキしていると、ソウくんはぶつかった衝撃で床に落としたのであろう参考書と、眼鏡を拾い上げる。

あれ、ソウくんって眼鏡してたんだ?

昨日は掛けてなかったのに……授業中だけ使ってるのかな。

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