好きだからキスして何が悪い?
「如月くん……何で……!?」


どうしてここに来たの!?

驚きで目を見開き、言葉が出ない私とは反対に、琉依くんは動揺ひとつしていない。

まるで、彼が来ることをわかっていたかのように。


「ここに来たってことは、自分の気持ちに正直になったってことだよね?」


そう言う琉依くんに挑戦的な目を向け、如月くんは息を整えながら言う。


「悪いな、琉依……やっぱりコイツは渡せねぇ」


……“コイツは渡せない?”

コイツってどいつ?

わかんないけど、今のは完全に萌えセリフですよ?


カクリと首をかしげる私の前で、琉依くんがニッと口角を上げる。

そして、突然バンザイをするように両手を空に向かって上げた。


「よかったー、作戦成功!」


……え? 作戦って何!?

まったく意味がわからないけど、如月くんは何かに思い当たったように顔をしかめる。


「まさかお前……音哉とグルだったのか?」

「そうとも言うね~、ちょっと協力してもらったから。
音ちゃんが説得して、さらに危機感を煽れば、きっと奏は阻止しに来ると思ってたよ。ま、本当に告白する気はなかったけどさ」

「オマエ……!」

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