好きだからキスして何が悪い?
「しょうがねぇか、お前ちっせーもんな。名前の通り」
「え?」
「10億分の1。ギリシャ語で小人って意味だろ、“ナノ”って」
──なっ、なんですと!?
昨日が初対面のはずなのに、何で私の名前知ってるの!?
「どどどうして私の名前……!」
「有名だよ、メガネクラちゃん」
クッ、と意地悪な笑みとともに言われ、私は絶句した。
存在感がないはずの私が、まさかそのあだ名で知れ渡っていたなんて!
目を見開いてカッチリと固まる私の横を、「じゃーな」と短く言って通り過ぎるソウくん。
彼が出て行ってから動き出すのに、しばらく時間が掛かった。
いろいろとショックで、力が入らない両手になんとか荷物を抱えて教室に戻った。
教壇にそれを置くと、自分の席で友達と話していた文ちゃんが私に気付き、「やっと来た」と言う。
私を待っていてくれたらしく、パンはまだ手付かずで机の上に置かれていた。
やっぱり素っ気なく見えて優しいなぁ、文ちゃんは……。
「遅いよー。先食べてればよかったわ」
さっそくパンの袋を開け始める文ちゃんに、私は人目も気にせず飛び付く。
「え?」
「10億分の1。ギリシャ語で小人って意味だろ、“ナノ”って」
──なっ、なんですと!?
昨日が初対面のはずなのに、何で私の名前知ってるの!?
「どどどうして私の名前……!」
「有名だよ、メガネクラちゃん」
クッ、と意地悪な笑みとともに言われ、私は絶句した。
存在感がないはずの私が、まさかそのあだ名で知れ渡っていたなんて!
目を見開いてカッチリと固まる私の横を、「じゃーな」と短く言って通り過ぎるソウくん。
彼が出て行ってから動き出すのに、しばらく時間が掛かった。
いろいろとショックで、力が入らない両手になんとか荷物を抱えて教室に戻った。
教壇にそれを置くと、自分の席で友達と話していた文ちゃんが私に気付き、「やっと来た」と言う。
私を待っていてくれたらしく、パンはまだ手付かずで机の上に置かれていた。
やっぱり素っ気なく見えて優しいなぁ、文ちゃんは……。
「遅いよー。先食べてればよかったわ」
さっそくパンの袋を開け始める文ちゃんに、私は人目も気にせず飛び付く。