好きだからキスして何が悪い?
そうだった、今日も一応メイクしてるし、皆はメガネクラじゃない私を見たことないもんね。

納得したと同時に、あちこちから声が上がる。


「えぇぇ、今度は冴島さん!?」

「か、可愛い……!」

「ちょっと待って、普通に美男美女……」


皆、呆然としてざわめいてるけど、やっぱりそんなに違って見えるのか。

なんだか不思議な気分になって縮こまっていると、如月くんにぐいっと肩を抱き寄せられる。


「お前ら、コイツに変な気起こすんじゃねーぞ」


私をまじまじと見ていた男子達は、そんな忠告をされてギクリとした様子で固まる。

これって、如月くんの独占欲?

思わずニヤけてしまいそうになる口元を手で隠した。


「やっぱり付き合ってるんだ!?」

「ショック~……!」


如月くんを取り巻いていた女子の悲壮感漂う声が聞こえて、なんとも複雑な気分……。

ますます縮こまっていると、まだ少し動揺しているような内田くんが口を開く。


「でも、如月……男除けのためかわかんねーけど、あそこで本当にキスするとかありえないって」

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