好きだからキスして何が悪い?
その後輩の彼は、なぜか目をキラキラさせて如月くんに勢い良く迫ってきた。


「奏さん! まさか同じ高校だったなんて!」

「それはこっちのセリフだ。つーか何なんだよ、寄ってくんな」

「そんなヒドイっす! 今の劇やってたの奏さんだって気付いて、超~感動したのに!」


うざったそうにする如月くんに泣きつく後輩くん達。

苦笑しながら見ていると、クラスの皆がコソコソと話し始める。


「この派手な奴らって、パープルの一員?」

「そういえば、たしか“カナデ”っていう次期リーダーを探してるとかいう噂があったような……」

「奏? ってことは…………えぇぇーー!?」


またまた驚愕して叫ぶ皆をさておき、後輩くんは急に真面目な顔になってこんなことを言う。


「奏さん、この間の話聞いて、オレ達考えを改めました」


姿勢を正す、なんだか改まった様子に、私も如月くんも耳を傾ける。すると。


「これからは、オレ達……世のため人のために生きていきます!!」

「すげぇ方向転換だな」


声高らかにされた宣言に、すかさず如月くんがつっこんだ。

< 271 / 278 >

この作品をシェア

pagetop