好きだからキスして何が悪い?
さっきの如月くんのプレーで私だけ興奮しちゃってるけど、やっぱりそれは少し寂しくて。

この際本人にこの気持ちを伝えてしまえ!と、自然と口にしていた。


如月くんはピクリと反応を示して、俯きがちだった顔をわずかに上げる。

何か言いたげにほんの少しだけ口を開くけれど、すぐに閉じ、またくるりと前を向く。

今度こそ体育館から出ていってしまう彼を、私は胸に手を当てながら見送った。

今になって、大きく鳴っている鼓動を感じる。


「わ、私……」


めちゃくちゃときめいてしまった……!!

だって、当たりそうになったボールを取ってくれるという、胸キュンな対応をされちゃったんだもん。

その相手がメガネクラ男子だって関係ない。

私には王子様に見えるよ!


ソウくんにも同じように助けられたけど、もしかしたら彼以上にキュンとしてるかも。

どうしてだろう。如月くんには仲間意識みたいなものを勝手に持っているからかな?

バスケしてる姿も素敵だったし、今日は如月くんがとってもカッコ良く見える。

私の眼鏡、魔法にでも掛かっちゃったのかな……。

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