好きだからキスして何が悪い?
「菜乃、どこ行ったかと思った」
私達のやり取りを見ていなかったらしい文ちゃんにぽんっと肩を叩かれ、「あ、ごめん」と反射的に謝る。
「ん? なんか顔赤くない?」
「えっ、そう!? な、なんでもないよ」
不思議そうにする文ちゃんに、あははと笑って返し、胸をドキドキさせたまま次の試合に臨んだ。
その間も、どこかに如月くんがいないかチラチラと気にしてしまい……
彼のことが、頭から離れることはなかった。
*
それからというもの、私はどうしたことか、気が付くと如月くんを目で追い掛けてしまっている。
それでわかったこともいろいろあるのだ。
お昼休みは必ずどこかへ行ってしまうことや、休み時間に読んでいるのは意外にも少年マンガだということ。
足が長くてスタイルが良く、眼鏡を押し上げる仕草が萌えるということと、あとは……。
「ねぇ、あれから本屋の毒舌王子の話が出ないけど、どうなったの?」
すべての授業が終わった後、さっさと教室を出ていく如月くんを見送った私に、すでに帰る準備万端の文ちゃんが何気なく問い掛けてきた。
私達のやり取りを見ていなかったらしい文ちゃんにぽんっと肩を叩かれ、「あ、ごめん」と反射的に謝る。
「ん? なんか顔赤くない?」
「えっ、そう!? な、なんでもないよ」
不思議そうにする文ちゃんに、あははと笑って返し、胸をドキドキさせたまま次の試合に臨んだ。
その間も、どこかに如月くんがいないかチラチラと気にしてしまい……
彼のことが、頭から離れることはなかった。
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それからというもの、私はどうしたことか、気が付くと如月くんを目で追い掛けてしまっている。
それでわかったこともいろいろあるのだ。
お昼休みは必ずどこかへ行ってしまうことや、休み時間に読んでいるのは意外にも少年マンガだということ。
足が長くてスタイルが良く、眼鏡を押し上げる仕草が萌えるということと、あとは……。
「ねぇ、あれから本屋の毒舌王子の話が出ないけど、どうなったの?」
すべての授業が終わった後、さっさと教室を出ていく如月くんを見送った私に、すでに帰る準備万端の文ちゃんが何気なく問い掛けてきた。