好きだからキスして何が悪い?
何を暴露してくれちゃってるの、この人は!!

今の言葉の意味をよくわかっていないらしく、ぽかんとして首をかしげる店長さん。

そんな彼に目もくれず、私は如月くんにぴゅーっと近付く。


「ど、どど、どういうことなんですか……っ!?」


私はテンパりながら、レジのカウンターに両手をつき、身を乗り出して詰め寄った。

いろいろと言いたいことや疑問がありすぎる!

きっとすごい形相をしているだろう私を、如月くんは冷ややかな目で見下ろす。

けれど、私に何か答えるわけでもなく、隣の店長さんの方を向いてこんなことを言い出した。


「店長、今日人足りなくて忙しいんですよね? 彼女にも手伝ってもらったらどうでしょう」

「「……へ?」」


私と店長さんの気の抜けた声が重なった。

手伝ってもらうって……私に? ここの仕事を!?

ありえない提案に目を見開く私。


「何言ってるのソウく……じゃなくて、如月くん! 突然私がここで働くなんて──」

「それいいね!」


当然店長さんもダメって言うだろうと思ったのもつかの間、好意的な声が聞こえて私は固まった。

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