好きだからキスして何が悪い?
本当に幸せだったなぁ……。
夢の中とはいえ、イケメンにあんなふうに迫られちゃうなんて!
あのまま覚めないでいてくれたら、もしや……キ、キスの感覚とかも味わえちゃったりしちゃってたのかな!?
「おしかったーー!」
「ねぇ菜乃。あたしといる時くらい妄想にふけるのはやめてくれない?」
冷めたハスキーボイスが耳に届いて、私ははっと我に返る。
目の前はすでに鮮やかな緑色に変わっている桜の並木道、隣にはスレンダーな美女。
あれ、私いつの間にご飯食べて家出てたんだろう!
どうやらトリップしていたらしい私を、たったひとりの親友と呼べる存在である、藍原 文(アイハラ フミ)ちゃんが現実に引き戻してくれたようだ。
家が近い彼女は、ほぼ毎朝一緒に学校へ向かっている。
「ごめん、文ちゃん! でもね、すっごくオイシイ夢見ちゃって」
「どうせまた王子様とイチャイチャしてたんでしょ」
「今日は壁ドンだった」
「犯罪じゃん」
ズバッとつっこむ文ちゃんに、私は頬を膨らませた。
知ってますよ? 壁ドンもやり方によっては暴行罪だか脅迫罪だかにあたるってのは知ってますけどね?
夢の中とはいえ、イケメンにあんなふうに迫られちゃうなんて!
あのまま覚めないでいてくれたら、もしや……キ、キスの感覚とかも味わえちゃったりしちゃってたのかな!?
「おしかったーー!」
「ねぇ菜乃。あたしといる時くらい妄想にふけるのはやめてくれない?」
冷めたハスキーボイスが耳に届いて、私ははっと我に返る。
目の前はすでに鮮やかな緑色に変わっている桜の並木道、隣にはスレンダーな美女。
あれ、私いつの間にご飯食べて家出てたんだろう!
どうやらトリップしていたらしい私を、たったひとりの親友と呼べる存在である、藍原 文(アイハラ フミ)ちゃんが現実に引き戻してくれたようだ。
家が近い彼女は、ほぼ毎朝一緒に学校へ向かっている。
「ごめん、文ちゃん! でもね、すっごくオイシイ夢見ちゃって」
「どうせまた王子様とイチャイチャしてたんでしょ」
「今日は壁ドンだった」
「犯罪じゃん」
ズバッとつっこむ文ちゃんに、私は頬を膨らませた。
知ってますよ? 壁ドンもやり方によっては暴行罪だか脅迫罪だかにあたるってのは知ってますけどね?