好きだからキスして何が悪い?
離れられると思ったのに、まさか今度は隣同士になっちゃうなんて!

一番後ろの席なのは唯一の救いだけど、メガネクラなふたりが並んだ光景を皆が面白がる視線が痛い……。


小さくため息をついた直後、文ちゃんから“よかったじゃん”と一言、メールが送られてきた。

逆に離れてしまった文ちゃんの方に目をやると、やっぱりにんまりと笑っている。

皆とは別の意味で面白がっている彼女に、私は苦笑いを返すのだった。



まぁ、なんだかんだ言って隣になれたことは嬉しい。

前は背中しか見えなかったけど、どんなふうに先生の話を聞いて、どうペンを走らせているのかとか、些細な仕草も見えるんだから。


ただ、問題なのは休み時間中。

私も如月くんも、だいたい読書か勉強をしているから、ふたり並んで黙々と机に向かっていると意外と目立つらしい。

前後だと特に気にされなかったのに、隣になった途端、「ふたり仲良くおベンキョーしてるよ」なんて声が聞こえてくるようになったのだ。

だから、お互いとっても気まずくて。


「……お前どっか行けよ」

「なっ、如月くんこそ……!」


と、コソコソと言い合いをするようになった。

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