好きだからキスして何が悪い?
えぇ? 何で見知らぬ男子が私なんかを探してるの!?

しかも名前じゃなくてあだ名でっていう……。

わけがわからないけど、とりあえず答える。


「た、たぶん私ですけど……」

「Wow! いきなり本人! はじめまして~。僕は2組に転入してきた早水 琉依(ハヤミ ルイ)。よろしくね」


私の椅子の背もたれに手を掛けて癒し系スマイルを振りまく、早水くんというらしい彼のハイテンションさに困惑したままの私。

教室内の皆も不思議そうに私達を見て、こそこそと話している。

うぅ、あんまり目立ちたくないのに……!


ものすごくいたたまれない気分になっていると、早水くんはまた気になる質問をしてきた。


「さっそくキミに聞きたいことがあるんだけど、如月 奏って今どこにいるか知ってる?」

「えっ……」


如月くんの名前を出されてドキリとする。

この人、如月くんの友達なのかな。

今も彼はきっと屋上にいるんだろうけど、それは秘密だって言われたし、教えるわけには……。ていうか。


「どうして私に聞くんですか?」


探るような上目遣いで問うと、彼は教室の後ろのドアの方をちょいちょいと指差して言う。

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