The things that I want to believe.

「おつかれさまでしたー」

少し疲れ気味の適当な挨拶をして
さっさと帰ろうとお店を出たとき

「お疲れーぃ!今日も疲れたねー!
お腹すいたー!由美ちゃんどっか
その辺でご飯していかない?」

と、疲れを感じさせない金切り声で
先輩が声をかけてきた。

「ごめんね、今日はもう予定あるんだ!また誘って!」

そう。この後は夜の仕事。
お店の人たちには内緒。
タメ語で話すくらい仲はよくても
わりと一匹狼なあたしには
団結力の強いこのお店が息苦しく
感じていましたから。
お店を出てからのぁたしを
必要以上に知られたくなかった。

足取り軽く向かうのは
廃れたぱぶ“Freya(フレイヤ)”

「おはよー麻里りん!」

「はよー!麻里りんってお前今日テンション高くね?ww」

この子は麻里。1個上のギャル..
ほら。こういうのこそギャル!
みんなこの子に言いなよギャル!笑
って思うほどいつもテンション高くて
明るい麻里はさばさばしてて
一緒にいると落ち着くから
あたしは麻里といるときは
Girls Talk♡くっだらない話しして
ささいなことで大笑いするのが
大好きだったの。


「今日も暇だといいね♡」

って言うと

「お客さん来るまで歌うか♡」

って返ってくる♡

「やっちゃうべー!
カラオケ大好きなあたしらの日課♡」

なんて2人できゃっきゃするのが
楽しくていつも2人で遊びながら
笑いながら携帯いじって
来そうもないお客さんを待つ日々w

こんな楽な仕事場ありません!w

たまに来るお客さんも常連さんばかりで
年齢層も高く面倒見のいい人たちですから口説かれてあの人めんどくさーい!
なんてこともありませんでした。

「お疲れ~!由美今日どうする?来る?」

「あ~ぁたし明日も仕事なんだよね、逆に来れない?」

「そーなんだ!ぢゃ行くわ!」

そう。いつもお店が終わると麻里の家かあたしの家でお泊まりするの♡

今日はあたしん家に決定♡

麻里とはいろんなこと話して
いろんなこと悩んだな~。
麻里の彼氏さんは麻里の11個上で、
国分さん。見た目ではがたいもよくて
怖いくらいなのに麻里にめろめろで
見ててほっこりするくらい可愛い。

帰り道の居酒屋や彼女の家で繰り広げる愚痴大会やくだらないエピソードは
日々の嫌なことも暗い気持ちも
まるごと包んで笑いに変えてくれた。

こんな日々を繰り返しながら
あたしの時間は流れていく。

~この時はそんな他愛のないひとときがすごく大切で彼女と会えたことが彼に繋がる一本道だったことをあたしはまだ知らない。~
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