ゆめ
「待たせちゃった?」

少し心配になって聞いてみる。

「ううん、今来たとこ!」

あぁ、なら良かった。
ホッとして、僕は改めて彼女を見つめる。
夏らしい涼しげな白のワンピース。
今日も君はとても素敵だ。

「ねぇねぇ!早く行こうよー!!」

彼女に見とれていた僕は、彼女の元気な声で我に返った。

「あ、あぁ…そうだな!」

まるで、夢を見ているようだ。
こんな素敵な人が僕の彼女だなんて。

「もー、早く早くー!!」

彼女に手を引かれる。
その時だった。
風が強く吹いた。
麦わら帽子が飛ばされる。

君の顔が見える――。
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