笑顔の裏側に
優美side

その後、先生のあの言葉の意味は未だに不明だが、いつも通り毎日勉強しながら平穏な日々を送っている。

そうしてこの学校での最後の行事となる体育祭の練習が始まろうとしていた。

特にこれと言って事前に練習する種目はない。

50m走にクラス対抗大縄。

それだけのはずだったのだが、私はなぜかクラス代表リレーにも出場しなければならなそうだった。

黒板に大きく私の名前が書かれている。

体育委員がこないだ体育の授業で計ったタイムをもとに決めたそうだ。

面倒なことになったなあと思いながらも、断れず、とりあえず引き受けた。

その時、先生がじっと私のことを見ていたが、あまり気にしないことにしよう。

そして大縄は毎日、朝練をすると決まった。

面倒だが仕方ない。

でも体育祭前には、全国記述模試も控えている。

体育祭なんかに浮かれている場合ではない。

私はみんなとは違うのだ。

そう思って気を引き締めた。
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