笑顔の裏側に
「麻生、どうした??」

急に黙り込んだ私を心配して先生が顔を覗き込む。

「いいえ…。」

なんて答えたらいいのかわからなくて咄嗟に言葉を返す。

もう2人とも食べ終わっていた。

残っているのは私だけ。

「もう食べられない??」

ゼリーを片手に固まってしまった私に愛お姉ちゃんが優しく問いかける。

2人の優しさにもう胸がいっぱいだった。

「いいんだぞ。無理して食べなくて。え?麻生?」

そう言って私の片手からゼリーを取ろうと先生の手が触れた時に涙がこぼれ落ちた。

「ごめんなさい…。」

そう言うのが精一杯だった。

愛お姉ちゃんがそっと背中をさすってくれる。

「優美ちゃん、どうしたの?どこか苦しい?言ってくれなきゃ分からないよ?」

必死に涙を堪えながら考える。

話すべきかどうか。

しばらく沈黙が流れた。

その間も愛お姉ちゃんは私の背中をさすってくれる。

先生は私の片手を握ってくれている。

そうして私は決心した。
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