笑顔の裏側に
そうして隣に座り直す。

もう時計を見ると5時過ぎ。

時間が経つのがあっという間だった。

「そろそろ俺、帰ろうかなって思ってるけど、大丈夫か?」

「大丈夫ですよ?」

本当はもっとそばにいて欲しい。

でもそれはできない。

私にはこの後闘いが待っている。

これ以上先生を巻き込むわけにはいかない。

そのためにはお母さんが帰ってくる前に帰ってもらうこと。

それが最良の方法だ。

「麻生、学校では今まで通りに接するけど、俺はちゃんとお前を愛してるからな。何かあったり、辛くなったらメールでも電話でもして来いよ。いつだって飛んでいくから。まあ、何もなくても大歓迎だし、俺からするけどな。」

そう笑いながら言う。

私のこと心配してくれてるんだよね。

「ありがとうございます。私も先生のこと、大好きですから。」

自分で言っときながら恥ずかしい。

「じゃあな。」

そう言って先生は車に乗って行ってしまった。
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