笑顔の裏側に
「歩?あくまでも私の勘だからね?」

何も言わなくなった俺に愛ねえがそっと声を掛ける。

でも俺にも思い当たる節はいくらでもあった。

このままにしておいたら麻生はいつか壊れてしまう。

俺のそばからいなくなってしまうのかもしれない。

そう考えるだけで背筋が凍る。

頭を降ってそんな考えをかき消し、冷静に努める。

「ありがとな。確かに俺にも思い当たる節があるよ。だから少し気にかけるようにする。」

俺が気をつけてればいい。

麻生が辛い時に辛いとちゃんと言えるような居場所をこの手で作りたい。

たくさんの悲しみや苦しみを少しでも癒してやりたい。

「そうね。そうしてあげて。何かあったら連絡しなさいよ?」

「ありがとう。」

そう言って電話を切った。
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