笑顔の裏側に

素直な気持ち

優美side

あれ以来、先生とは会っていない。

メールも電話もしてないし、先生から来ることもない。

やっぱり一方的に切り上げたのがまずかったのだろうか?

何度も電話してくれて。

メールを送ってくれて。

だけど私は何も返せなかった。

先生がかけてくれた電話をとっただけ。

その後、自分でもメールを送ろうと思ったが、できなかった。

なんて送ればいいか、分からなかった。

そのままズルズルとメールを返せずに過ごしていると、あっという間に2学期になった。

学校ではあくまで教師と生徒。

だから前ほど先生は声をかけてくれることもない。

この前まではずっと話しかけられるのが面倒だと思っていたのに。

今では話したいと思っている。

わがままだな。

でももしもバレたら大変だ。

そのためにお互いに必要以上に話さない。

できるだけ近くにいることを避けている。

少しでも怪しまれる可能性がある行為はしないようにとお互いに細心の注意を払ってのことだった。

それが少し、いや、結構寂しい。

私のことを本当に好きなのか?

と思ってしまう。

だけど私はあの言葉を信じよう。

それしか今の私にはできない。

どうにか先生から意識をそらそうと勉強でごまかす。

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