笑顔の裏側に
先生は机の上に無造作に置かれたファイルから何枚かプリントを引き出す。

私と先生の前に模試の成績が並んだ。

それを見てドキリ胸が跳ねた。

英語が学年で2位。

そのまま視線をずらして見ていくと、1位との差は11点。

どうして??

どうしてこんなにも差があるの?

英語は比較的重点を置いてこの夏休み勉強したはず。

なのに11点差もつけられて誰かに抜かれた。

それに英語だけじゃない。

国語だって学年順位は1位なものの、偏差値は少しだけど下がってる。

それは夏休み、理数科目に特に力を入れてきた結果なのかもしれない。

そのはずが理科と数学は点数も偏差値もさほど上がってはいない。

「麻生…麻生…」

先生に肩を叩かれてハッとする。

「どうした?何度呼んでも返事しないけど…」

「すみません。大丈夫です。」

危ない。

先生との面談なんだった。

いつものように1人で成績表見るのではないのだ。
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