笑顔の裏側に
「お前、まだ時間ある?」

「はい。大丈夫ですが…」

まだ何かあるのだろうか。

でも机の上は綺麗に整頓されている。

「よかった。」

先生は満足そうに微笑む。

しかし微笑むだけで、何をするかは何も言ってくれない。

「あの、何か?」

そう言えば、先生は意地悪そうに笑って、

「俺が何のためにお前を一番最後に入れさせたと思う?」

あの時は突然すぎて、先生が近すぎて何も考えてなかったけれど、なぜだろう。

「話すことがたくさんあったからですか?」

とりあえず妥当な理由を適当に言ってみる。

その言葉に先生は静かに首を振る。

「私の志望校の関係ですか?」

私の志望校は最難関と言われる大学だ。

だからこそ面談だってそれなりにちゃんとしなくちゃいけない。

先生は私に悩みがあるとでも思ったのだろうか?

だから一番時間が取れる最後にしたのかな?

後ろが控えていると思えば自然と駆け足になるし、そこまで伸ばすことはできない。

そう考えて答えれば、先生の反応は何も変わらず前と同じだ。

「じゃあ、何のた…」

諦めて尋ねようとした時だった。
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