笑顔の裏側に
もう俺が戻った時には閉会式がほとんど終わっていた。

もちろん、結果は圧勝だった。

あれだけ朝練を頑張って、麻生だって倒れるまで一生懸命走ったんだ。

優勝じゃなかったら困る。

その後HRを簡単にし、すぐに生徒たちを帰した。

そうして俺は再び保健室へ向かう。

「失礼します。麻生、どうですか?」

「あら、瀬立先生。いらっしゃってくださったのですね。麻生さんはまだ眠っていますよ。体育祭、終わったんですか?」

「ええ。無事。」

そういうと、いきなり保健室の電話が鳴った。

「ちょっとすみません。」

そう言って、電話に出た。

「はい。保健室、柏木です。」

俺はその場に立っていたが、時間がかかりそうなので、麻生の寝ているベットへと向かった。

そっとカーテンを開けると、麻生が静かに眠っていた。

確かに、整った顔立ちをしている。

可愛いというより綺麗だ。

そう思っているといきなりカーテンが開いた。
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