笑顔の裏側に

それぞれの想い

優美に別れを告げられた日から数日か過ぎた。

相変わらず電話しても出ないし、メールしても一切返ってこない。

適当な理由を付けて呼び出してみたが、用が済んだら塾だと言って帰ってしまう。

いったいどうすれば…。

ずっと優美のことで頭がいっぱいだった。

生徒の前ではミスが目立ち、ぼんやりとしている時間が増えて、他の先生からも心配されるぐらいだ。

公私混同してはいけない。

今は教師だ。

そう自分に言い聞かせても、頭に浮かぶのは優美のことばかりで。

どうしようもなく辛かった。

ただただ無情にも時間だけを過ぎていって。

あれからもうすでに3週間が経とうとしていた。

その頃、俺は意外な人物から話があると言われていた。

神谷だ。

とりあえず応接室に連れて来てみるものの、教室から連れてくる間も何も話さない。

ただ深刻そうな表情をしている。

神谷が話してくれるのを待っていると、神谷は急に顔を上げ、覚悟を決めたように俺を真っ直ぐ見据える。
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