笑顔の裏側に
深夜1時を回った頃だった。

「先生?」

後ろを振り返れば、眠そうな目をこすりながら、扉の前に立つ優美。

「どうした?」

「すみません、私のせいで。仕事終わってなかったのに、私の家まで来ていただいて…。」

申し訳なさそうな顔をしてそんなことを言う。

そんなこと気にしないくていいんだ。

俺はお前がそばにいてくれればそれでいい。

「俺が勝手にしたことだから。お前のせいじゃない。それにもう終わったから気にするな。」

そう言ってもなお優美の表情は浮かないままだ。

「さあ、もう寝よう。優美も部屋に戻りな。」

机のものを片付けながら言う。

だけど優美は俺の前に立ち尽くしたまま一向に動こうとしない。

「先生は?」

「俺はそこのソファーで寝…

「それはダメです!私がソファーに寝ます。先生がベットを使って下さい。」

最後まで言わせてもらえず、途中で遮られてしまった。
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