笑顔の裏側に
その後も何度か押し問答が続いたが、結局両者ともに引かず。

お互いにこれでは埒があかないと思ったのだろう。

お互いに沈黙が続いた。

「じゃあ、一緒にベットで寝る?」

そう冗談めかして言えば、

「そうですね。」

こちらが拍子抜けしてしまうほどあっさりとした返事が返ってきた。

「えっ…」

思わず声を上げてしまう。

お前は平気なのか?

男と女が1つのベットで隣で寝るんだぞ!?

何かあるとか警戒しないわけ?

まあ、俺は優美の心の準備ができるまでいくらでも待つつもりだけど。

それに優美が卒業するまでは、絶対にそういう行為はしないと決めている。

「先生?一緒に寝ましょ?」

優美は黙ったままの俺にそう言って、俺の手を引いて寝室に向かっていく。

ちょっと待てって。

どうしてそんなに平然としているんだ?

お前は何を考えてる?

焦っているのは俺だけか?

そう思っている間に、寝室についてしまった。

優美がドアを開けて中へ入るのに俺も続く。

ズルいな。

俺だけこんなに焦っているなんて。

少しだけ分からせてやろうか。

男がどんな生き物なのか。
< 199 / 518 >

この作品をシェア

pagetop