笑顔の裏側に
今の時間ではスーパーはやっていない。

コンビニくらいかな…。

とりあえず携帯で近辺の店を調べてみる。

やはりどこの店も9時か10時に開店だ。

コンビニで何か買うしかないか…。

でもそれじゃいつもと変わらず先生の体に悪い。

もっと栄養があるものを食べないと。

まあ、コンビニに行ってから決めるかな。

何があるのかいまいち分からないし。

そう思って玄関へ繰り出せば、重大な事実に気づいた。

もしこのまま家を出れば、もう入れない。

先生の住んでいるマンションはセキュリティー管理が十分なオートロック。

部屋の鍵はもちろん、その下のマンションの入り口までもオートロックで2段階になっている。

となると暗証番号を知らない私は、出たら最後、先生がいないともう入れない。

どうしようかと考えるけれど、こればかりはどうしょうもない。

先生が起きなければ、何もできない。

仕方なくリビングに戻った。

特に何もすることがなく、自分のカバンの中から、勉強道具を取り出した。

先生が昨日使っていた机を借りる。

頭が冴えるように、数学の問題集を広げた。
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