笑顔の裏側に
視線を下に下ろせば、気持ちよさそうに眠っている。

やっぱり疲れているんだと改めて感じる。

こんなに眠りづらい態勢であっという間に眠りにつくのだ。

以前より濃くなった隈にそっと触れた。

そのまま頰や頭も撫でる。

私はどうすればいいのだろう。

私に何ができるのだろう。

いつだって歩み寄ってくれていたのは先生の方で。

私はいつも受け身だった。

何もできない自分が情けない。

こんなに無力で不甲斐ない自分が大嫌いだ。

でも無理に聞き出すようなことはしたくないのも本音で。

私もそうであるように。

誰にだって話したくないことがあるのだ。

自分の中で整理できてない、消化できていないことほど。

だからこそどうしたらいいか分からず、途方にくれるばかりだった。

そうして不吉なことは重なるのだった。

どうしてこんなにも上手くいかないのかと嘆きたくなるほど。
< 232 / 518 >

この作品をシェア

pagetop