笑顔の裏側に
あの日から1週間後の今日。

いつもの個別指導の日。

先生は学校を休んだ。

また恐れていたことが起こってしまった。

代わりに来た副担任の先生から体調不良だと聞いた。

心がズッシリとした石のように重くなり、ズキズキと痛んだ。

それはまるで私を責め立てているようだった。

後悔先に立たずとはこのことだと思い知った。

こんなことなら、全てを捨てて先生のところへ行けばよかった。

週末は塾のテストがあり、先生の家には行けなかった。

こんな時にそばにいられないなんてと悲観したが、どうしようもなかった。

テストは2日間で、それも朝から夕方まで。

ちょっとだけでも、顔を見るだけでもと思っても、それが叶わない。

ううん、そんなのただの言い訳だ。

テストなんか放り出して行けばよかっただけ。

それができなかったのは、お母さんに刃向かう勇気も気力も私にはなかったから。

結局私は自分が一番大切なんだ。

大切な人のことさえ優先できない。

こんな自分が嫌になる。

だから変わろうと思った。

少し遅かったかもしれない。

だけどまだ間に合うはずだから。

ちゃんと私なりにぶつかろうと決めた。

一度決めたら、強くなれた気がした。

学校ばかりは登校してしまった以上、最後まで授業を受けなければならない。

仮病を使いたいけど、もしものことを考えるとまずいと思い諦めた。

もう少しの辛抱だと自分に言い聞かせ、何とか放課後になるまで待った。

終礼が終わると、すぐに教室を飛び出し、急いで家に帰る。
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