笑顔の裏側に
「悪かった。愛ねえにまで八つ当たりして‥。」

愛ねえは黙ったまま俺の話を聞いていた。

「上手くコントロールできない自分の心も体も‥何もかもが辛くて。でも自分ではどうしようもなくて。気づいたら自分のことしか考えてない最低な奴に成り下がってた。」

確かに俺は毎日不安と恐怖に襲われて辛かった。

だけど俺がそれに飲み込まれてばかりで。

自分から抜け出そうという努力はしてこなかった。

自分の現実を悲観して。

周りを見渡せば、こんなにも俺への気遣いと優しさで溢れていたのに。

俺はそれには目もくれず、まるで当たり前かのように見逃していた。

「その言葉、優美ちゃんに言ってあげなさい。あの子は今この瞬間もあんたを支えたいと思ってる。どうしたらあんたを安心させられるか必死に考えてるのよ。」

「分かってる。ちゃんと全部話そうと思ってる。」

今回のことをきちんと謝るとともに、俺のおかしな言動についてもしっかりと話そうと思った。

「じゃあ優美ちゃん、呼んでくるから。」

そう言ってすぐ入れ替わるように優美が入ってきた。
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