笑顔の裏側に
「私はずっとここにいます。私はどんなことがあっても、先生のそばからいなくなったりしません。」

抱きしめられて顔は見えないけれど、声で泣いているのだと分かった。

「先生が不安な時は何度だって言葉にして伝えます。どうしようもなく辛い時には、全部吐き出して、私にぶつけてください。不安も悲しみも怒りも苛立ちも全部。それで先生の苦しみが少しでも和らぐなら、どれだけ傷つけられたって構わない。それを受け止められるくらい、私の先生への想いは軽いものじゃないんです。」

力強い言葉が耳元に届く。

がんじがらめになってもつれた心がゆっくりと溶けていくようだった。

「ありがとう‥」

そう言うのが精一杯で。

「こちらこそ、大事なこと話してくれてありがとうございました。」

俺たちはお互いに抱き合って涙を流していた。

優美は俺が落ち着くまで、自分からは絶対に離そうとしなかった。

だから俺はゆっくりと腕を緩めた。

すると優美の腕も緩んだ。

「優美。」

名前を呼べば、俺と向き合う態勢を取る。

「1つだけ約束してほしいことがあるんだ。」

「何ですか?」

首を傾げる優美に慎重に言葉を選ぶ。
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