笑顔の裏側に
「俺のために学校を休むなんてこと、もう2度としないでほしい。俺のことを想っての決断だったとは分かってる。だけどお前は今が一番大事な時期だろ?せっかくここまで頑張ってきたのに、お前の将来をダメにするようなことだけはしたくない。それに、たとえ特別な関係が俺たちの間にあっても、教師の俺が生徒のお前を休ませるなんてことは考えられない。」

感情的にならないように気をつけながら、静かに諭す。

ちゃんと優美の気持ちを受け入れながらも、譲れないことはしっかりと伝えた。

「じゃあどうすればいいんですか?先生は私に病人を放って行けって言うんですか?」

優美が捲し立てるように言う。

「それは‥」

普段感情的にならない優美がここまで感情を露わにするのは初めてだった。

初めてのことでこちらも戸惑ってしまう。

「先生にとって私はどんな存在なんですか。生徒ですか?彼女ですか?」

当たり前のことを聞く優美に俺は即答する。

「そんなの、どっちもに決まってるだろう。」

何なんだよ、一体。

そんなの聞かなくたって分かるだろ?

「やっぱり私は、先生の生徒という肩書きからは逃れられないんですね。」

今までの熱が一気に冷めて、勢いをなくし、どこか諦めたような様子に胸が騒ついた。

「どういう意味だよ、それ。」

無意識のうちに、言葉が鋭くなる。
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