笑顔の裏側に
「先生は私を彼女である前に生徒として考えて物事を判断してる!でも私は‥私は先生のこと、生徒である前に恋人として出来ること、してあげたいことをいつだってやろうとしてきた!」

泣き叫ぶように言い放つ。

彼女である前に生徒として判断している?

何が言いたい?

「そうかもな。俺はただお前が受験に合格して無事卒業できることだけを一番に考えてる。そのためなら俺はどうなったって構わないと思ってる。」

もう半ば投げやりだった。

教師であれ、恋人であれ、優美を大切に思っている気持ちは変わらないのに。

どうしてそれを否定されないといけないんだ。

「先生の描くその先の未来に、私はいないんですか。」

涙で濡れた寂しげな瞳が俺を捉えた。

「え‥」

どうしてそういう解釈になるんだ?

思いっきり服で涙を拭い、今度は真っ直ぐな瞳が俺の心を射抜いた。

「私が卒業したら、それで終わりですか?教師と生徒じゃなくなったら、何もなくなるような、私たちはそんなに薄っぺらい関係なんですか。」

「そうは言ってない。でも今は‥」

俺の言葉は遮られた。
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