笑顔の裏側に
「俺はどうなっても構わない?それ、本気で言ってるんですか?それがどういうことなのか、ちゃんと分かって言ってるんですか?」

「分かってるに決まってるだろ!」

そんなの全部わかってる。

最悪クビになるのも覚悟の上だ。

「だったらそんなに簡単に言わないでください!私だって同罪なのに先生だけが責任を取らされて。学校だって辞めさせられるかもしれ‥」

「それでもいいって俺が言ってるんだ!」

それ以上は言わせないと遮る。

だけどそれに屈するほど、優美の想いは中途半端なものではないことを俺は思い知らさた。

「先生が良くても私は全然良くない!先生が今まで教師として積み重ねてきた努力を無駄にするようなことだけは絶対にしたくない。一度でも不祥事を起こせば、一生そのイメージが付きまとうんですよ。先生は¨生徒に手を出した教師¨というレッテルを貼られて、生きていかなければならない。先生の人生を壊すようなことは絶対にしたくないんです!」

「優美‥」

「ただ守られているだけなんて絶対に嫌!私だって先生のことを守りたい。だから今は絶対にバレるわけにはいかないんです。卒業したその先もずっと、先生のそばにいられることを一番に優先したい。」

もう言葉が出てこなかった。
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