笑顔の裏側に
でもどうしようか??

少ししか見てないから、本人がぶつけたという以上、これ以上は聞けない。

もう少し何か手がかりがあれば…。

少し鎌をかけてみるか。

どんなに天才でも弱いとこをつかれたら、多少ボロが出るはずだ。

そう考えて俺は職員室に戻った。

そうしてあいつの家に電話をかけたが、出なかったので、母親の携帯にかけた。

「はい。」

何度目かのコールのあと、女性の声が聞こえた。

「麻生優美さんのお母様の携帯でよろしいでしょうか?」

「そうですが…」

「月島学園高校で優美さんの担任をさせていただいております瀬立歩と申します。優美さんのことで、お伝えしたいことがあるのですが、今お時間よろしいでしょうか?」

「お世話になっております。時間の方は大丈夫ですが、あの優美が何かご迷惑をおかけしましたか?」

迷惑なんてとんでもない。

俺の言い方がまずかっただろうか?

俺は焦って撤回した。
< 29 / 518 >

この作品をシェア

pagetop