笑顔の裏側に
どうやら若くてイケメンの先生が犯人のようだ。

たかがそれだけで騒いでこちらとしてはいい迷惑である。

どこのクラスの担任なのか、C組でないことを祈りながら、一応あいさつに耳を傾けてみる。

「初めまして。3年C組の担任の瀬立歩です。英語科です。よろしくお願いします。」

それを聞いた途端、私はがっくりと肩を落とした。

他のC組の女子たちはというと友達と手を取り合って喜んでいる。

なぜそんなに嬉しいのか。

受験まで1年を切っている。

そして仮にもここは選抜クラスだ。

やはりレベルが低い。

でも決まってしまったものは仕方が無い。

それに私の勉強に差し支えなければ構わない。

私は今まで通り何も変わらないのだ。

そう自分に言い聞かせて教室に戻る。
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