笑顔の裏側に
優美side

朝起きたら、頬が赤く腫れていた。痣もできている。

いつもは化粧で隠してるけど、この腫れはどうしようもない。

諦めて湿布を貼りマスクをした。

多少手の甲にも痣があるが、化粧で隠せば、大丈夫だろう。

そうして学校に向かった。

バレないか少し不安だったが、昨日倒れたせいか、体調不良としてみなされて大丈夫だった。

このままいけばバレることはない。

そう思って屋上に行き、お弁当を食べる。さすがにこの顔じゃ誰かがいるところでは食べられない。

そうして昼食を取り、湿布を換えて教室に戻った。

午後の授業を受け、帰る支度をし、悠と塾に向かう。

そのはずだった。

そこまでは順調のはずだった。

でも掃除の悠を待っている時に瀬立先生に声をかけられてしまったのだ。

今までうまく交わしてきたつもりだったが、先生が女子生徒に囲まれているのをいいことに油断してしまった。

「麻生、ちょっと応接室に来い。いいな？」

そうして今応接室に向かっている。

「失礼致します。」

そう言って入るが、まだ先生はいない。
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