笑顔の裏側に

「やっぱり俺には、優美を大切にしてやれる自信がない。」

ポツリと本音を零せば、穏やかな表情が一変し、鋭く軽蔑した眼差しが俺を射抜いた。

「俺が買い被りすぎたのかもな。優美が好きになったやつならって思ってた。だけどやっぱりお前に優美は任せられない。」

はっきりと告げられた言葉がストレートに心に刺さる。

それでも何も言い返さない俺にトドメを刺すように、口を開いた。

「今後一切、必要以上に優美に関わるな。傷つけることがあれば、容赦はしない。優美はお前には絶対渡さない。」

そうして神谷は部屋を出て行き、大きな音を立ててドアが閉められた。

ドアが派手にぶつかって、中途半端な位置で止まった。

それはまるで宙ぶらりんな俺を映しているようだった。