笑顔の裏側に
優美side

あれから私は全ての思考をシャットアウトするが如く、ただただ勉強に向かった。

今までももちろん勉強漬けの日々だったわけだが、それがさらに発車がかかったような気がする。

休憩時間はほとんど削り、勉強以外の時間でも頭の中での復習の時間としていた。

少しでも暇だと先生のことを考えてしまう。

それをなんとかしたくて、自分に勉強以外を考える隙を与えないようにしていた。

それでも学校に行けば先生と顔を合わすことになるわけで。

こないだまではそれを幸せだと思っていたはずなのに、今では苦痛でしかない。

考えないようにしたいのに、先生を一目見るだけで、心が疼き、泣きたくなる。

それでも何も気にしないふりをして、頭に全然入ってこない単語帳を意味もなく見つめたりなんかして。

このままじゃダメだと分かっていても、心は私の意志に反して素直だった。

だからこそ自分ではどうしようもなくて。

悠にだって心配かけてるのは重々承知の上だった。

私の微かな変化に気づいて声をかけてくれて。

何も聞かずにそばにいてくれて。

時折、何か言いたげな視線を感じるけど、決して言葉にはしなかった。

その優しさに私はまた甘えるばかりで。

そんな弱い自分につくづく嫌気がさしていた。
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