笑顔の裏側に
それから4日後。

待ちに待った合格発表の日がやってきた。

悠と一緒に電車に乗って大学に向かう。

大学に着くまで終始無言だった。

そんなことに気が回らないくらい、緊張していたんだと思う。

大学の門を潜り、人集りを縫って掲示板を前にすれば、まだ張り出されていなかった。

周りを見渡せば、みんなが受験票を手にして今か今かと待っている。

しきりに時計を確認している人もいれば、祈っている人もいる。

私も受験票をスクバから取り出した。

12256番だ。

ちなみに悠は12511番。

悠は空いている方の手を握ってきた。

私もしっかり握り返す。

そして掲示板の前に係員が来て、合格者の番号が露わになる。

必死に自分の番号を探した。

はやる気持ちを抑えて、1つずつ丁寧に番号を確認していく。

すると自分の番号があった気がした。

受験票と見比べて同じ番号かを何度も確認する。

同じだ‥受かった‥。

無意識のうちに息を止めていたようで、一気に吐き出す。

「どうだった?」

「あったよ‥。」

そう言って受験票を渡す。

私も受験票を受け取った。

そして掲示板を見上げれば、12511番がちゃんとあった。

お互いに目を合わせて、微笑んだ。

その瞳にはキラリと光るものがあったと思う。
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