笑顔の裏側に
少し話した後、そろそろ行くかということになり、市役所に向かう。

しっかりと手を繋いで。

さすがに市役所に入るときは離したけれど。

市役所は意外と混んでいて思っていたよりも時間がかかった。

少し遅めに昼食を近くのカフェでとり、たわいもない話をしながら家に帰る。

帰り際、

「何かあったら、いつでも電話して来いよ。」

そう言われて頭を撫でられた。

そうしてそれぞれ家の中に入って行く。

早速、貰ってきた書類を提出用の封筒に入れた。

これで後は、お母さんに必要事項の記入と捺印をお願いするだけ。

それらを全てリビングに持っていき、机に置いておく。

洗濯物を片付け終わると時間を持て余した。

そのため、昨日でほとんど終わっていたが、部屋の片付けを再開させた。

昨日は勉強道具のみだったが、今日は他のものの断捨離も行うことにした。

これから1人暮らしのための引越しを考えると、早くからやっておいて損はないだろう。

今から持って行くものと置いて行くものに分けておくのもいいかもしれない。

そう思って机の引き出し、ワゴン、クローゼットなどを片っ端から手を付け始めた。

とりあえず一段落して、時計を見ればもう12時を回っていた。

昨日と同様、時間も忘れて没頭してしまったようだ。

お風呂に入ろうと、1Fに降りたけど、お母さんは帰ってきていなかった。

今日も帰って来ないのだろうか。

お母さんがあれだけ望んでいた大学に合格したのに。

机にポツンと置かれた入学書類を見ながら、溜息をつかずにはいられなかった。

仕方なくお風呂に入ってベットに入る。
< 347 / 518 >

この作品をシェア

pagetop