笑顔の裏側に

安心できる居場所

次の日から本当に電話がかかってきた。

泊まらない日は毎晩。

しかもほとんど悠の方からだ。

私からもかける事はあったけど、どちらかというと悠を安心させるためにかけるという感じだった。

あれ以来、泊まることはしないけど、度々家に来てくれたり、出かけたりすることも多くなった。

家でまったりテレビや借りてきたDVDを見たり、悠が持ってきたゲームをやったり。

夜眠れてないことを心配して、必ずお昼寝の時間を作ってくれていた。

ソファーを倒して、2人で1枚のブランケットをかける。

どんなに自分が先に起きても、絶対に私が起きるまでは起こさなかった。

それは出かける時も同じで。

外出するのは午前か午後のどちらかだけ。

必ず夕方には帰るようにしてくれていた。

それでもこれまで滅多に出かけることはなかったため、十分楽しめた。

何より二人きりのデートだ。

それだけでドキドキする。

専ら、ショッピングモールで私服や靴、鞄などを買いに行くということが多い。

これから大学生になるに当たって、私服が多く必要になる。

二人して驚くほど外に来ていけるような私服をほとんど持っていないのだ。

今までは制服だったし、休日も塾くらいでそんなに出かけることなんてなかったから、まずもともとの服の数も少ない。

クローゼットの中を思い出して、お互いにその事実に気づき、今日もまたショッピングモールヘと出かける。

婦人服と紳士服は階が違うため、順番に回っていく。

どっちがいい?なんて聞いてみたり。

お互いにコーディネートし合って、試着してやっぱりこっちなんてことも。

とりあえず一通り回ったかなというところで、お昼を食べる。

今日でもうだいぶ揃った気がする。

あとは、季節ごとに増やしていく感じかな。

そんな話をしながら、休憩した後、適当に雑貨を回る。
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