笑顔の裏側に
ふらっと立ち寄ったアクセサリーショップで、可愛いハートネックレスを見つける。

ハートの形もオシャレで、桜色のストーンが揺れるたびに光るのが綺麗。

「それが欲しいのか?」

「うーん、どうだろ?綺麗だけどあんまりこういうのつけたことないし。」

普段アクセサリーをつけない私にとって、ついてると凄く違和感があるのだ。

ブレスレットや指輪は手を洗う時に濡れそうだし。

イヤリングやピアスもずっとしてると頭が痛くなってしまう。

だからネックレスならありかなと思いつつも、買ってもあまりしなさそうという感じがする。

「いいじゃん。つけてみれば。」

持っていたネックレスを取られる。

するとすぐに首にひんやりとしたものが触れた。

「ちょっと、いいってば。」

私の抗議の声は御構い無しに、

「でーきた。」

という楽しそうな声が背後から聞こえる。

備え付けの鏡に映せば、桜色のストーンがキラキラと光っていて。

「凄く似合ってる。」

そう言って何処かへ行ってしまった。

自分の首元に触れてみると、より愛着が湧いた。

買ってみようかなと首に手を回して外そうとした時。
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