笑顔の裏側に
壁にある¨HAPPY BIRTHDAY¨の飾りが一番に視界に入った。
「あ、そっか、今日は‥。」
「やっと思い出した?まあ、忘れてるんじゃないかとは思ってたけどな。」
今日は私の19歳の誕生日だった。
今の今まですっかり忘れていた。
「さあ、着替えて手洗って。今日は俺が作った特別ディナーだから。」
悠に促されるように着替えて手を洗って、リビングに戻れば、テーブルには色とりどりの料理が並んでいた。
「これ全部悠が作ってくれたの?」
綺麗に盛り付けされたサラダと2種類のパスタ。
そして小さなケーキ。
「おう、ケーキ以外はな。」
「ありがとう。」
「いいから座れって。」
少しぶっきら棒なのは照れてるんだろう。
私が座ると悠も向かい合って座った。
そして咳払いをして改まったように姿勢を正すから、私もそれに倣って正座をしてしまった。
「優美、誕生日おめでとう。」
青のリボンと水色の包装紙でラッピングされた四角い箱を差し出される。
「ありがとう。開けていい?」
リボンを解き、箱の中を開けると、バナナクリップが顔を出した。
手にとってみれば、水色と青のグラデーションが綺麗な夏らしいデザインだった。
適当に結んでいたゴムを外し、早速つけてみる。
「どう‥かな?」
恐る恐る尋ねてみる。
鏡がないため、自分では分からず不安になる。
「似合ってるよ。気に入ってくれた?」
「もちろん。大切にするね。」
必死に口角を上げてみるけど、やっぱりうまく笑えなかった。
無意識のうちに、俯きそうになる。
「気にするな。お前の気持ちはちゃんと伝わってるから。さあ、冷める前に食べよう。」
「あ、そっか、今日は‥。」
「やっと思い出した?まあ、忘れてるんじゃないかとは思ってたけどな。」
今日は私の19歳の誕生日だった。
今の今まですっかり忘れていた。
「さあ、着替えて手洗って。今日は俺が作った特別ディナーだから。」
悠に促されるように着替えて手を洗って、リビングに戻れば、テーブルには色とりどりの料理が並んでいた。
「これ全部悠が作ってくれたの?」
綺麗に盛り付けされたサラダと2種類のパスタ。
そして小さなケーキ。
「おう、ケーキ以外はな。」
「ありがとう。」
「いいから座れって。」
少しぶっきら棒なのは照れてるんだろう。
私が座ると悠も向かい合って座った。
そして咳払いをして改まったように姿勢を正すから、私もそれに倣って正座をしてしまった。
「優美、誕生日おめでとう。」
青のリボンと水色の包装紙でラッピングされた四角い箱を差し出される。
「ありがとう。開けていい?」
リボンを解き、箱の中を開けると、バナナクリップが顔を出した。
手にとってみれば、水色と青のグラデーションが綺麗な夏らしいデザインだった。
適当に結んでいたゴムを外し、早速つけてみる。
「どう‥かな?」
恐る恐る尋ねてみる。
鏡がないため、自分では分からず不安になる。
「似合ってるよ。気に入ってくれた?」
「もちろん。大切にするね。」
必死に口角を上げてみるけど、やっぱりうまく笑えなかった。
無意識のうちに、俯きそうになる。
「気にするな。お前の気持ちはちゃんと伝わってるから。さあ、冷める前に食べよう。」