笑顔の裏側に
そうして手を合わせて料理をいただく。

どれもすごく美味しかった。

パスタに入っていたピーマンがつながっていたのには、少し笑ってしまったけど、一生懸命作ってくれたのが分かって愛しく思った。

ケーキの前にコーヒーでもと思って、お揃いのマグカップに注ぎ、テーブルに持っていった。

再び腰を下ろすと、

「優美。」

真剣な声で名前を呼ばれ、悠を見つめた。

「生まれてきてくれてありがとう。」

その言葉の意味を理解した途端、涙がはらはらとこぼれ落ちた。

あの日から泣けなくなったはずなのに、自分でも驚くほど自然と涙が流れていた。

突然泣き出した私に焦って、肩を抱いてくれる。

「ごめ‥何で‥悲しくなんて‥ないのに‥。」

私が泣き止むまで、一定のリズムで背中を叩いてくれていた。

落ち着いてから食べたケーキは、いちごの甘酸っぱさか私の涙のせいか、少し酸味が強かったけど、忘れられない味だった。

そして2人でベットに入って、微睡みそうになったその時に、

「愛してる。」

そんな言葉が聞こえて、優しい口づけが落ちてきた。
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