笑顔の裏側に

癒えない心

帰ってきたらすぐに悠は塾の夏期講習の打ち合わせだった。

ゆっくり過ごすことができたのは2日間だけ。

その2日間はどこに行くわけでもなく、ただ家でゆっくりと過ごしていた。

そのおかげで、私の体力も完全復活を遂げた。

これも全て悠の思惑なのだろうかと思ってしまう。

夏休みに出かける予定は先延ばしとなり、私のバイトと悠の夏期講習が終わってからということで落ち着いた。

大学は9月の中旬からのため、十分余裕はある。

そして私のバイトのシフトを悠の夏期講習の日程と合わせて組み、休みは合わせるようにしていた。

もう少しで8月も終わるという頃。

一足先に私の短かったバイト期間も終わり、

悠は今も夏期講習中。

今頃数学でも教えているんだろうか。

今日は午前中で終わりらしいから、昼過ぎには帰ってくるだろう。

そんな私は家で、もうすぐ始まる大学に向けて、春学期の復習をしていた。

教科書を読み、パラパラとノートを見返していく。

少し抜けている部分もあったけど、大半は大丈夫そうだった。

切りが良いところで、買い物に行き、お昼ご飯の準備をする。

テレビの報道番組をぼんやりと見ていると、悠が帰ってきた。
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