笑顔の裏側に
そして美憂と出かける日。

どうやら悠も出かけるらしい。

もしかしてこっそり付いてくるつもりかと、構えていたが、私とは反対側のホームの電車に乗って行ったのでホッと胸を撫で下ろす。

私も電車に乗り込み、美憂との待ち合わせ場所に向かう。

すでに美憂は来ていて、あわてて駆け寄った。

ぐるっとショッピングモールを回って何をあげるか候補を考えていく。

塾講師をしているからネクタイがいいかなとか。

今日見たら、随分と使い古された定期入れをそろそろ替え時かななんて。

でもちょっと値段が安すぎる。

財布にするのもありだ。

キーケースもいいけど、マンションはオートロックだから鍵はないから必然的に候補から外れる。

そんなこんなで、最終的に財布にすることにした。

ズラリと並べられた財布の中から、悠に似合いそうなもの、悠の好みに合うものを選んでいく。

そして美憂との相談の結果、黒を基調とした長財布にした。

ブランドのロゴがプリントされているシンプルなデザイン。

このブランドのバックを前に持っていたのを見たことがあるから気に入ってくれるといいなと思う。

その後はブラブラとショッピングモールを歩き回って、服や小物を見ていく。

買わなくても可愛いものを見るだけでテンションが上がる。

美憂は何度か試着してたくさんの服を買っていた。

気づけば両手に袋がいくつか握られている。

私も1着スカートを買った。

秋らしい落ち着いたチェック柄のミモレ丈スカート。
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