笑顔の裏側に
「ねえ、具合悪いの?」

そう聞きながら、布団の中で丸まっている悠の額に触れてみるけど、熱はなさそうだ。

「ちょっと頭痛いだけ。」

布団の中からくぐもった声が聞こえてくる。

「大学は行ける?」

「行く‥。」

「じゃあ、ギリギリまでベットで休んでて。また起こしにくるから。」

そう言って部屋を後にした。

それから急いで私は準備をする。

それが終わると一口サイズのおにぎりを多めに作ってタッパーに詰める。

そのうち2つほど机に置き、タッパーは悠の鞄に入れた。

そして救急箱から頭痛薬を取り出しておく。

できる範囲で悠の準備も行っておき、それから悠を起こしに行った。

その時は流石に時間が迫っているから、起きてくれたけど、いつもより動きが鈍い。

それでも何とか間に合わせて大学に着く。

いつも通り教室内で別れて、私は3人のもとへ向かう。

悠はいつもの一緒にいるグループの方へ向かっていた。

そのまま1限、2限と進んでいく中、悠のことが気になって仕方がない。

ずっと講義中は、机に突っ伏していて、体調が悪いのは一目瞭然だった。

頭痛薬が効いてないのか、それとも熱が上がってきたのかと心配になる。

鞄には一応頭痛薬、風邪薬、体温計は持ってきている。

とりあえず昼休みに悠のところも行こうと決め、講義終了後、この教室に残るように連絡した。
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