笑顔の裏側に
着替えとタオルを用意して、シャワーのマークが付いたのを確認したあと、脱衣所に置いた。

そしてシーツを外して、洗濯機にかける。

予備のシーツはないので、大きめのタオルケットで代用した。

掛け布団はどうしようもないので、裏返して、空気に晒しておく。

ベット周りを片付け終わると、浴室の扉が開く音がした。

それを聞いて私もリビングに戻る。

ポカリをコップに入れていると、悠がリビングに戻ってきた。

その姿を見て、慌てて脱衣所にドライヤーを取りに行く。

「ちゃんと髪乾かさないと。せっかく良くなってきたんだから。」

のんびりとポカリを飲んでる悠に声をかけた。

ソファーに座らせ、ドライヤーをかけてあげる。

しっかりと乾かしたあと、首の裏側も温めた。

「何か食べられそう?」

ドライヤーを片付けながら、聞く。

「うん。割といけそう。」

「じゃあ、お粥作ってくるから。」

よかった。

食欲も出てきたみたいだ。

今朝作ったシンプルな梅干し粥に卵も入れることにした。

水や出汁を加えて味を調節し、お茶碗によそう。

そして食べやすいように木のスプーンとともにお盆にのせた。

ソファーの前の机に置く。

「はい。熱いから気をつけてね。」

返事があった割には、なかなか食べ出さない。
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