笑顔の裏側に
疼く残痕
それから次の日には、完全に熱は下がり、日曜日もゆっくり休んだことで、すっかり回復していた。
そして悠が熱を出した日から初めてのカフェのバイトの日。
家庭教師が終わった後、カフェに向かう。
考えるのは、越川先輩のこと。
すごく会いたくない。
今までで一番と言っていいほど。
あの日、カフェに着いた途端、怒鳴られて、しかもそれを遮ってしまったので、次会った時になんて言われるか。
想像しただけでもため息が出る。
カフェのドアがいつも以上に重い。
私の心とは似つかない軽快な鈴の音が鳴る。
店内を見渡すと、悠がいて。
それだけで少し安心できた。
中へ入れば、越川先輩は今日はいないみたい。
一気に肩の力が抜けた。
いつも通りコーヒーを頼むと、1枚のお皿が用意されて、クッキーが置かれた。
「すみません。これ頼んでないですけど‥。」
注文を受けてくれた中里さんに申し出る。
越川先輩がいない日は、この人がバイトに来ていることが多い。
悠から聞いた話によると、まだ高校2年生らしい。
「ああ、これは悠さんからの差し入れだそうです。」
「え?」
「愛されてますね。」
そう言って、トレイの上に使い捨てのコーヒーカップが置かれた。
そしてカップを回されて目を向ければそこには。
そして悠が熱を出した日から初めてのカフェのバイトの日。
家庭教師が終わった後、カフェに向かう。
考えるのは、越川先輩のこと。
すごく会いたくない。
今までで一番と言っていいほど。
あの日、カフェに着いた途端、怒鳴られて、しかもそれを遮ってしまったので、次会った時になんて言われるか。
想像しただけでもため息が出る。
カフェのドアがいつも以上に重い。
私の心とは似つかない軽快な鈴の音が鳴る。
店内を見渡すと、悠がいて。
それだけで少し安心できた。
中へ入れば、越川先輩は今日はいないみたい。
一気に肩の力が抜けた。
いつも通りコーヒーを頼むと、1枚のお皿が用意されて、クッキーが置かれた。
「すみません。これ頼んでないですけど‥。」
注文を受けてくれた中里さんに申し出る。
越川先輩がいない日は、この人がバイトに来ていることが多い。
悠から聞いた話によると、まだ高校2年生らしい。
「ああ、これは悠さんからの差し入れだそうです。」
「え?」
「愛されてますね。」
そう言って、トレイの上に使い捨てのコーヒーカップが置かれた。
そしてカップを回されて目を向ければそこには。