笑顔の裏側に
体に力が入らなくなると、ドサッとソファーに倒れ込んだ。

視界が反転する。

気づけば悠が覆いかぶさるように目の前にいて。

いつもと違う光景に、見下ろされる角度に、胸が熱くなり高鳴りを増す。

そのまま熱いキスが交わされた。

もう身動きが取れなくてされるがままだ。

あまりの激しさに息ができない。

酸素を求めて口を開けば、舌が入ってきた。

初めての感覚に軽くパニックになる。

だけど口の中で絡められる舌に、素直に体は反応して。

もっとと求めてしまう。

溺れていく。

離されたときにはもうグッタリだ。

全身の力が抜けて、呼吸も絶え絶え。

「悪い、ちょっとやりすぎた。」

首を振るだけで精一杯だ。

しばらく髪を撫でた後、

「もう寝ような。」

そう言われてベットに運ばれた。

そして本当にそのまま寝る体勢になった。

期待してなかったといえば嘘になる。

むしろそういう流れだと思ってた。

だけど自分から切り出すこともできずに、悠に抱き締められたまま、私も目を閉じた。
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